佐藤茂のときどき真面目な金融日記

とある外資系トレーダーが綴る、金融中心かと思いきや雑多なブログ

オプションの基礎(2)オプション取引の仕方

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前回は、オプションの基礎の基礎ということで、そもそもオプションとは何なのかの解説をしました。今回はそのオプションの取引の仕方について見てみましょう。

 

 

どこでオプションを取引できるか 

通常、個人投資家がオプション取引をするためには、オプションを取り扱っている証券会社やオンラインブローカーに口座を開設する必要があります。国内の証券会社は大抵どこも日経225の指数オプションを取り扱っていますし、東証で上場されている国内の株式オプションを取り扱っているところもあるようです。また、海外のオンラインブローカーに口座を開けば、国外の個別株や指数オプション、為替や金などのコモディティのオプションも取引できます。

オプションの取引画面の見方

下の図はオプションの取引画面の一例です(Bloomberg)。とある日のGoogle株のオプションマーケットの一部が表示されています。

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 『出典:Bloomberg』

 

 通常オプション取引のスクリーンは、中央に行使価格(Strike)、左にコールのマーケット、右にプットのマーケットが表示されます。マーケットとは、提示されているビッド(Bid)とアスク(Ask)およびそれぞれの数量のことです。ビッドとは、誰かがこの価格で買いたがっていることを表し、誰かがこの価格で売りたがっているというのがアスクです。アスクのことをオファーとも言います。したがってオプションを買う場合は、オファーの価格で買わなければなりませんし、オプションを売りたい場合はビッドの価格で売らなければなりません。このオプションの価格のことをプレミアムと言います。オプションを買うときは、プレミアムを支払い、オプションを売るときはプレミアムを受け取ることになるわけです。

例えば上の図において、Google Aug(8 月) 620プットのマーケットは

7.00(Bid) -  7.30(Ask)

です。このオプションを1つ買うには、マルティプライアが100ですから

7.3 x 100 = 730 ドル

のキャッシュを支払う必要があります。口座内のキャッシュが730ドル減るとともに、Google 株を1 株620ドルで100 株売る権利を買うことができるわけです。もしもGoogle株が下落して620ドル以下になった場合、その権利を行使して利益を上げることができます。

反対に、売る場合は7ドルで売らなくてはなりません。このプットを7ドルで1つ売れば、

 7 x 100 = 700 ドル 

のキャッシュを口座に受け取り、Google株を1 株620ドルで100株売る権利をショートしたことになります。

マージン

ところが、オプションを売った場合、それほど単純ではありません。単純に口座内のキャッシュが増えるだけではないからです。

オプションを売った場合、原資産が好ましくない方向に動いた場合、大きな損失につながります。例えば、620プットを売ったあとにGoogle株が一気に500ドルに下がれば、ショートした620プットの価値は急騰し、大きな損失を出すことになります。また、この場合プットの買い手は確実に権利を行使するでしょう。するとあなたは500ドルの株を1株620ドルで買わなくてはならないわけです。

オプションの買い手が権利を行使した場合、売り手はその要求に答える義務があります。行使に対してこれを「割り当て」と言います。オプションの売りにはリスクが伴うのです。そのため、口座を開いた会社は、オプションのショートに対して証拠金を口座内に差し出すことを要求します。証拠金のことをマージン(Margin)とも言います。

最近では、ほとんどの会社がSPAN(Standard Portfolio Analysis of Risk)という方法を用いて必要な証拠金を計算しています。大雑把に言えば、起こりうると想定される値動きやボラティリティの変化に対して、原資産とオプションからなるポートフォリオがどの程度の損失を出しうるかをもとに証拠金を計算します。

ボラティリティについては本書で詳しく説明します。必要な証拠金が口座内に無い場合は、さらにキャッシュを差し出すことが求められます(マージンコール)。あるいは強制的にポジションが決済されることもありますので、注意が必要です。

 

今回はここまでです。次回は、オプションの持つ価値について見ていきましょう。

 

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